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名作フィッシャー邸の模型を兵庫県立美術館の展示会に出展

2025年9月20日

建築学科で製作した名作フィッシャー邸(ルイス・カーン設計)の模型(1/20スケール)が、国立新美術館での展示会に続いて、兵庫県立美術館で開催されている特別展「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」に出展されています。
この模型は一年生の製図の基礎を学ぶための教材として採用しているもので、アメリカにある実際の住宅を訪れる事ができないことから、その空間を体験できるように、授業の主担当である田島則行教授の指示により2016年に1/20スケールで作成したものです。模型の大きさは幅:1.25m、奥行き:2.25m、高さ:1.2mであり、住宅の置かれている豊かな自然環境も含めて体験できるように作られています。
この模型は、ルイス・カーン事務所で実際に使われた実施設計図面(提供:芝浦工業大学・松下希和教授)を元に忠実に再現されており、そのクオリティが今回の展示会において評価されて出展に繋がりました。
展示会の概要は以下になります。


リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s
LIVING Modernity: Experiments in the Exceptional and Everyday 1920s–1970s

2025年9月20日(土) ~ 2026年1月4日(日)

1920年代以降、ル・コルビュジエやルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエといった多くの建築家が、時代とともに普及した新たな技術を用いて、機能的で快適な住まいを探求しました。その実験的なヴィジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人びとの暮らしを大きく変えていきました。
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」と題した本展覧会は、当代の暮らしを根本から問い直し、快適性や機能性、そして芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した、戸建ての住宅をご紹介するものです。1920年代から70年代にかけて建てられたそれらのモダン・ハウスは、国際的に隆盛したモダニズム建築の造形に呼応しつつも、時代や地域、気候風土、社会とも密接につながり、家族の属性や住む人の個性をも色濃く反映しています。理想の生活を追い求めた建築家たちによる暮らしの革新は、それぞれの住宅に固有の文脈と切り離せない関係にあるのです。
一方、それらの住宅は、近代において浮上してきた普遍的な課題を解決するものでもありました。身体を清潔に保つための衛生設備、光や風を取り込む開放的なガラス窓、家事労働を軽減するキッチン、暮らしを彩る椅子や照明などの調度、そして住まいに取り込まれた豊かなランドスケープは、20世紀に入り、住宅建築のあり方を決定づける重要な要素となったのです。そして、こうした新しい住まいのイメージは、住宅展示や雑誌などを通じて視覚的に流布していきました。
本展覧会では、20世紀に始まった住宅をめぐる革新的な試みを、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考します。そして、特に力を入れてご紹介する傑作14邸を中心に、20世紀の住まいの実験を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィックなどを通じて多角的に検証します。

会期
2025年9月20日(土) ~ 2026年1月4日(日)
休館日:月曜日
ただし、10月13日[月・祝]、11月3日[月・祝]、11月24日[月・振休]は開館、10月14日[火]、11月4日[火]、11月25日[火]、12月31日[水]、1月1日[木]は休み

開館時間
10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで

会場
兵庫県立美術館 企画展示室
〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)

主催: 兵庫県立美術館、日本経済新聞社
後援: 一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会
協賛: 公益財団法人伊藤文化財団
協力: ミサワホーム株式会社、株式会社 竹中工務店、 株式会社新建築社
特別協力: 公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部

兵庫県立美術館HPリンク

(写真提供:兵庫県立美術館)