受賞者ニュース

“軒先が動く家”建材提案賞
小池君、学生デザインコンペで

2016年3月

 建材大手の三協アルミ(本社・富山県高岡市)が募集した「第1回学生デザインコンペ―未来のとびらコンテスト―(大学生版)」で、建築都市環境学科の小池翔太君(2年)の提案「完結居」が建材提案賞2点の一つに選ばれた。表彰式は昨年12月18日、高岡市の三協アルミ社で行われた。
 コンペは「ずっといたくなる家」と「ずっといたくなる図書館」の2テーマを募集。小池君は「家」部門に応募した。
 何でもできる現代社会は便利で使い勝手がいいが、敢えて制限した空間を、アイデンティティーを発揮し豊かな発想で使いこなす方が、ずっといたくなる家になるのではないか。
 夫婦に子ども2人の4人家族を想定。開放的な空間を快適・情報・ビジネスの3テーマが循環し「完結」する家を、アルミ建材を使って示した。
 一番の特長は“軒先が変形する”斬新なアイデア。ひさしの長いアルミ屋根を自由に変形でき、内側に大きく曲げてベンチにしたり、日よけにしたり。自ら快適な空間を創作できる。
 講評で西沢立衛審査委員長(建築家・横浜国大大学院教授)は「軒先が動くという変わった提案だが、気候に合わせて軒が伸びたり縮んだりというのは、環境型住宅のイメージとしても示唆的に感じられた」。百田有希審査委員(建築家)は「太陽という動く相手に対して建築の方がかたちを変化させてみては?という考え方にはっとさせられた」。他の委員も「全く新しい建材研究のヒントを与えてくれる」と評価した。
 小池君は「経験のつもりで応募したのに受賞できてうれしかった。軒先が自由に変形する案は現実的にはまだ不可能ですが、アイデアを評価してもらえ、重ねてうれしい」と感想を語った。(CITニュースより)