受賞者ニュース

髙橋由寛、沙織さん準グランプリ

2016年11月19日

「街の中の街のすきまの家」

 毎日新聞社主催の第2回学生住宅デザインコンテスト(ヒノキヤグループ共催、国土交通省・林野庁後援)で、募集テーマは、50坪(約165平方メートル)以内の敷地に癒しの空間をデザインする「都市のくつろげる家」。
 髙橋由寛さん(修士2年・遠藤政樹研究室)、髙橋沙織さん(同)が2人で「街の中の街のすきまの家」=写真=を提案し準グランプリを獲得した。11月19日、毎日新聞東京本社(東京都千代田区)で表彰式が行われ、12月9~16日には入賞作品展が東京駅八重洲地下街・センタースポットで開かれた。
 髙橋さんらは、日本の住宅には隣家との間に軒下空間・縁側・庭など“街のすき間”があり、安らげる空間を生んできたと捉えた。現代の都市では建物がせめぎ合い、窓を開ければ目の前を隣家の壁がふさぐ。家々に街のすき間を取り戻せば、くつろげるのではないか――。
 長屋型の細長い敷地を想定。上に広げ3階建てにすることで軒下・縁側・庭などの“すき間”要素を取りいれ、植物園があり、日向ぼっこもできる家を提示した。時間がない中、1回1回の話し合いを濃いものにしようと案を出し合ったという。
 コンテストには298点が応募。手塚貴晴さん(建築家・東京都市大教授)ら審査員5人が2次にわたって提案の独自性や環境への配慮、木材の生かし方も加えて審査した結果、準グランプリに選ばれた。審査員の1人は「長屋の内部を立体的に構成することで、すき間を作り出している。緻密に考えられた案」と講評した。
 髙橋さんらは受賞コメントで「開放的でくつろげる家とは、プライバシーを守りながらも内外がつながっている家だと考えました」と答え、「こんなに良い賞をもらえると思っていなかったので、うれしい。(グランプリは逃がし)次に機会があれば頑張りたい」と語った。