レクチャーシリーズ

2017年度:第1回レクチャーシリーズ:豊田 啓介氏

2017年7月20日

2017年度
第1回目のレクチャーシリーズ

2017年7月20日 17:00〜18:30

建築家 豊田 啓介氏
講演テーマ『建築家という職能の高次元化について』


千葉工業大学建築都市環境学科では、2013 年より始まったレクチャーシリーズを今年度も開催いたします。 様々な分野で個性的な活動をしている様々な領域の講師をお招きし、今後の建築のあり方、都市のあり方、 そして環境のあり方を検証します。

会場:千葉工業大学 津田沼キャンパス
(JR総武線津田沼駅 南口駅前)


豊田さんは、家具から建築まで幅広い領域における、コンピューテショナルデザインの日本における第一人者であり、先端的なテクノロジーを駆使し、実験的な試みにより、新しい領域を開拓し続けている。また、今日の状況に対する、分析的、批判的な発言を多数されており、オピニオンリーダーとしても認知されている。講演では、豊田氏率いるNOIZの活動が紹介されるとともに、来るべき建築像に関する、示唆的な知見が披露されることが期待された。
話は、ファッションブランド、アンリアレイジとの2017春パリコレでのコラボレーションから始まり、フラクタル畳から台湾の大規模研究施設まで、様々なプロジェクトが紹介された。それらのプロジェクトでは、コンピューテーション建築の日本における第一人者であることを裏付ける、様々な先端的な試みが具体化されていた。その上で、そうした挑戦を今現在行うことの意味や意義についても平明に解説された。建築が今どのような位置にあり、どのようにその周辺領域を含めて高次元で対処すべきか、課題が示された。学生のみならず、われわれ教員にも、とても得ることの多い2時間だった。
唐突に話題を一つ書くが、ブルーノ・ラトゥールがアクター・ネットワークを提唱する背景として、今日の諸問題は異なる領域のレイヤーの複雑な重なりからなり、一つの専門性では判断できないという認識があるわけだが、そうした高次元化した問題群を、コンピューテーションで対処できるのではないか、そんなことにふと思いあたって、壇上で豊田さんに聞いてみたりもした。豊田さんは、常に明晰に、一方でユニークに受け答えをされ、そこにはしなやかな知性の存在が見て取れた。(今村創平)