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臭い・香り 広がる関心〜環境学会で最新研究を発表

2018年8月31日

 生活の周辺にあふれる匂い(臭い)や香りに関する研究発表を行う第31回におい・かおり環境学会(におい・かおり環境協会会長=小峯裕己建築学科教授)が8月30、31日の2日間、本学津田沼キャンパスで開かれ=写真上、特別講演や一般口頭発表、企画セッション、ポスター発表や機器展示が行われた。
 敬遠される臭いや、それを和らげる芳香への関心の高まりを受けて発表件数は年々増加。口頭発表18件、ポスター発表28件、機器企画展示も新規4社を加え最多16社と、昨年件数をはるかに上回る申し込みがあった。
 30日は吉川元起氏(国立研究開発法人物質・材料研究機構)が「人工嗅覚の実現に向けた最先端ハード・ソフト技術の垂直統合」と題した特別講演を、におい・かおり環境学会学術賞を受賞した吉井文子氏(別府大・発酵食品学科教授)が「においと分子計算化学の利用とにおい分子の混合」と題した受賞講演を行った。
 このほか、臭い・香りをセンサーとして活用する研究などの一般口頭発表が展開された。さまざまな視点から検討するテーマの多様化が目立った。
 31日は企画セッションが行われ、「建築関係における臭い対策と業界団体の動向」について、さまざまな事例を挙げながらディスカッション。フロアではポスター発表が行われ、発表者と時間をかけて議論したいという参加者の要望に応えていた。
 今回の学会では、新たな取り組みとして、小学生向けの実験講座が大会前日の29日、開催された=写真下。
 低学年のうちから臭いや香りに興味を持ってもらい、社会的関心を高めるのが目的。室内空気環境と住まい方を研究する萬羽郁子・東京学芸大講師と、消臭剤などを開発するエステー(株)の協力で、児童たちに消臭・脱臭の科学的な仕組みを理解する化学実験を体験してもらい、消臭剤作りにも挑戦した。
(CITニュースより転載)