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多田研2人が最優秀賞:“構造アート”4点も入賞

2019年7月13日

多田研2人が最優秀賞:“構造アート”4点も入賞

 日本建築学会主催の第15回学生サマーセミナー2019「集積あるいは変化するストラクチュラル・アート」(7月13日、東京都港区の建築会館で最終審査)に、多田脩二・建築学科准教授の研究室が参加。応募約100点の中から最優秀賞に狩野裕也さん(建築都市環境学専攻修士2年)・布施晃輔さん(同1年)の「CRYSTAL JOINT 」が輝いたほか、次の4点が入賞した。

 ▽優秀賞=「天高群星近(てんたこうしてぐんせいちかし)」 喜多崇之さん(建築学科4年)
 ▽大野博史審査委員賞=「むしものがたり」 穀野直貴さん(同)
 ▽田村恵子審査委員賞=「Atmospace」 野内竜樹さん・齋藤良成さん(同)
 ▽永井佑季審査委員賞=「和紙の華」 岡田大樹さん(建築都市環境学専攻修士1年)。

 コンテストには日中台韓4カ国・地域の16大学が参加。「集積」と「変化」から思い描く、構造的で自由なカタチを作った。「組立―完成―解体」が容易なのが条件。6月末に募集が締め切られ、著名な建築家・構造家たちの一次審査を経て、建築会館で組み立てる最終審査が行われ、各賞が決まった。
 布施さんらの「CRYST AL JOINT」は、炭素結合の原理を用いた幾何学による新しい接合部を提案。「最終審査日は朝6時から部材が届くのを待っていたので、早起きしたかいがありました」
 喜多さんの「天高群星近」は、テンセグリティー(引っ張ろうとする力と戻ろうとする力で自立安定する構造)による新たな構造形態と、構造の力の変動を表現。「有機的な材料を使用したため、作業中に何度も麻紐が切れたり竹が割れたりしたが、協力してくれた方のおかげで思い描く作品が作れました」
 穀野さんの「むしものがたり」は、アーチ形を用いた幾何学と面の連続を提案した。「私の形態は、発泡ボードで構成したので、湿気が最大の難敵でした。当日は、湿気を吸う前に完成したものを全体に見せることができて、よかった」
 野内さんらの「Atmosp ace」は、切り紙のシステムを応用した新たな立体構造。「当日の作成は1枚の紙を切るところから始まりました。制作で遅れを取っていたと感じましたが、思いを一つにして躯体を立ち上げることができました」
 岡田さんの「和紙の華」は、一葉双局面構造を柔蠕材(柔らかくうごめく材料)で成立させるもの。「和紙を立体的に立ち上げる。考えただけで不可能に近いところを、一葉双局面構造を用いて解決を図りました。結果的に躯体は独立しなかったものの、その華やかさやインパクトは一番だったと感じています」(CITニュースより)