金子尚志研究室


金子 尚志教授

建築設計、建築環境デザイン、身体感覚、地域資源

建築家。1967年東京生まれ。
東京都立大学都市環境科学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。
quattro design(東京)、Passive Design Laboratory(ベトナム・ホーチミン)主宰。
東洋大学建築学科卒業後、西松建設株式会社建築設計部で勤務。その後、神戸芸術工科大学大学院修士課程、エステック計画研究所、ESTEC and Partners、滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科を経て現職。
環境・技術・身体とのレスポンシブな関係を切り開く建築、環境要素を建築デザインに反映したパッシブデザイン・バイオクライマティックデザイン、サステイナブルな社会を目指した建築・都市などの研究・設計を行っています。「設計のための建築環境学 みつける・つくるバイオクライマティックデザイン, 彰国社」(共著)、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞、BCS賞(パッシブタウン第1街区2020年)などを受賞。

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Passive and Responsive Design 受容する建築 

建築的な工夫によって風、太陽の光や熱、風などの自然エネルギーを取り込み、機械の依存を最小限にすることで快適な室内環境を作り出す設計手法は、パッシブデザインと呼ばれてきました。私たちの周りには、自然エネルギーの他にも、多様な地域の特徴が潜在しています。建築はさまざまな環境要素と、それらの循環によって重層され、結節点となって空間として建ち現れるのではないでしょうか。
金子研究室の考えるパッシブデザインは、自然エネルギーの活用に加えて、これら地域の特徴こそが建築をつくる環境要素ととらえています。地域に潜在する多くの特徴を見つけ出して受容することを"Passive"、それらによって人の行動と建築のかたちとして応答する"Responsive"、この双方向のデザイン"Passive and Responsive Design"をテーマとしています。

未来完了形の建築と都市

完成した時点で考え抜かれた建築・都市であることはもちろん、実在する都市、建築、環境と、潜在する環境要素や地域資源と関係しながら、時間とともにその場の様相が変化していくような「未来完了形の建築と都市」を研究・実践しています。気候、風景、文化、歴史、習慣や技術など、形をもたない地域資源の循環と建築の関係を考え、環境と建築デザインを統合し、これからの建築が持つべき時間の豊かさを考えます。

主な研究・設計のテーマ

環境建築デザイン
パッシブ・レスポンシブデザインの展開
閉じる技術・開くデザイン
環境建築デザインを「理論」と「手法」と「心象」から考える
みつける・つくる・つかう
シミュレーションツールを活用した設計
半屋内外空間 境界領域、中間領域、内外空間の関係とデザイン
建築と設備の統合
近代建築を中心とした環境建築の系譜とデザイン
建築エレメント
窓のデザイン、環境制御装置としての窓、外皮(ファサード)のデザイン
移動可能な建築空間
地域・都市
パッシブデザイン地域モデルの構築
地域資源・気候風土の発見と建築デザインへの展開
地域の環境適応技術とデザイン
アジア型の開放系手法、気流・通風のデザイン開くための計画、構法
身体
人の行動と建築デザイン、身体感覚を拡張する環境と建築
身体、道具から都市までのスケール感
素材
資源循環、素材循環
環境をつくる素材、素材から考える建築
エネルギー
自立循環型建築
省エネルギー建築の設計手法
ゼロエネルギービルディング(ZEB)、ゼロエネルギーハウス(ZEH)
建築家の環境思想
A.アアルト、ル・コルビュジエ、藤井厚二、G.バワ、L.カーン、F.L.ライト、W.M.ヴォーリズ ほか