中野 克彦教授
鉄筋コンクリート構造、耐震構造
突如として発生し、壊滅的な被害をもたらす地震力がコンクリート(RC)系構造物に作用する時、どのような構造方法で、どのように抵抗させて安全性を確保するかを研究する。このためには、新構造材料・新構造技術・新施工技術によるRC系構造物の高性能化の実現も必要とされ、構造実験・数値解析といった手法を用いる。対象とするRC建物は、戸建住宅から超高層集合住宅まで多種多様である。
鉄筋コンクリート(RC)構造物への新構造技術の提案
RCは,様々な構造物への利用が考えられます。戸建住宅の布基礎には強さが24N/㎟程度の普通コンクリート,50階を超えるような超高層集合住宅には強さが150N/㎟程度の超高強度コンクリートが使用されます。また,コンクリートを補強する鉄の強度も295N/㎟から1275N/㎟までと様々です。これらの多種多様なコンクリートと鉄を組み合わせ,要求される性能に応じたRC構造物を,構造実験および解析手法を用いて新構造技術の提案を行います。
施工の合理化を目的とした
構造技術・施工技術に関する開発研究
近年,施工労働者の高年齢化による労働力不足,技術力の低下が問題となっています。これらの解決策として,RC構造物および木造戸建て住宅基礎のプレキャスト化技術,鉄筋加工・配筋システム(鉄筋ユニット)を提案します。プレキャスト部材および鉄筋ユニットは工場で製作し,現場では環境条件(雨・風・温度 等)に影響を受けず,レゴブロックのように簡単に接合するような工法を目指しています。
既存ストック建物の
リニューアル・耐震補強技術の開発研究
全国に100万戸以上存在する集合住宅に関して,各住戸のリニューアル,建物全体の耐震補強を目的に新材料,新構造技術,新施工技術の開発を行っています。具体的には,住宅から施設への用途変更,住棟規模や形態の変更,バリアフリー化,住宅全体プラン変更,等々の構造躯体も含めた改造です。構造躯体の改造において総合的に効果が高いと評価された手法があと施工アンカーであり,実用化に向けての研究を進めています。