鈴木比呂子研究室


鈴木 比呂子准教授

建築基礎構造、地盤地震工学

都市は地盤の上に成り立っている。その地盤へ上部構造物の重量を伝える重要な役割を担っているのが基礎である。地盤、基礎が壊れると、構造物も充分な機能を果たすことができなくなる。地震の多い日本では、地盤、基礎の崩壊にともなう構造物の被害が生じてきた。本研究室では、都市、上部構造物を支える地盤、基礎構造の研究を行っている。


地盤の液状化による建物被害を減らす取り組み

近年の地震では、液状化による建物被害が多く発生している。液状化による被害を減らすには、液状化によって生じうる被害(例えば、建物の傾斜・沈下、基礎の損傷など)をあらかじめ予測したうえで、液状化そのものを起こさせないこと、もしくは、被害が起きないよう対策を行うことが必要である。

杭基礎に生じる応力の評価

杭基礎は、上部構造物の荷重を深部の硬質層まで伝達する基礎形式である。常時は、上部構造物の荷重である鉛直方向の荷重を主に支えているが、地震時などでは構造慣性力、地盤変形により水平荷重を受ける。また、構造物慣性力による転倒モーメントによって、杭に作用する鉛直荷重の変動も生じる。このような複雑な荷重下のもと、杭はその機能を損なわずに建物を安全に支えることが求められる。

地盤-基礎-構造物系の相互作用の評価

地震時の構造物の揺れは、構造物の固有周期、地盤の固有周期、入力地震波の卓越周期の組み合わせに影響を受ける。例えば、同じ地盤に建つ構造物でも、その固有周期が異なれば、揺れは大きく変わる。また、地表の揺れも地盤の層構成によって異なる。